時々、僕は不安になる事がある。

僕はこの広い世界で生きている意味はあるのだろうか、と。

僕がいようがいまいが、科学は関係なく発達するだろうし、歴史は僕の事なんて一切触れることな く、積み重ねられていくだろう。

僕はこの世界に何の関わりも無い。何の影響も与えない。

こういうのを「無意味」っていうんじゃないだろうか。









ふはははは。

そうか、僕は「無意味」な存在なのか。

意味の無い存在。

ふふっ、まったくもってその通り。文字通りってヤツですよ。









でも、それをすんなり受け入れられないのが人間の心理というもので。

こんな僕でも、やっぱり抵抗したいと思う。

全部とは言わないけど、せめて少しだけでも否定させてほしい。









ねぇ、君にとっても僕は無意味かなぁ。

きみだけは、僕の存在する意味があると言ってほしいんだ。

きみがそう言ってくれなければ、僕の存在の意味はきっと誰にも肯定されないだろうから。









はははははっ。

僕の住んでいる世界はなんて小さいことだろう。

世界はこんなにも広く大きいというのに、

人はそこに一生かかっても数え切れないほど存在しているというのに、









僕の存在をはっきりと示してくれるのは、たったひとり。









でも、いいや。

小さくていいよ。

きみがいてくれるなら、どんなに小さくてもいい。

きみが僕を想い、僕が君を想い、

常にお互いがお互いのことで脳の容積を占め、その割合は絶えず変化し、

そうやって毎日きみと共存しながら生きてゆくことができれば、

僕はこの小さな世界で生きる意味があると思う。









そうか!

よく考えれば簡単なことだった。









腐るほど人類が存在するこの世界で、僕の存在の大きさや意味を考える事より、自分の、存在する意味 を認識できるように、自分でこの世界を小さく区切ることのほうが、

はるかに大事なことだったんだ――――――……









ね? きみもこの小さな世界で生きていこう。

すごくすごく小さいけど、でも、きっと意味があるはずだから。









今日が僕らの建国記念日だよ。

毎年お祝いしようね。