君が僕の世界に入ってくれたお陰で僕は変わったと思う―――
それは肉体的ではなく精神的に。
深い闇に満ちたこの世界に一筋の光が現れたからだと思う。
最初は僕でさえ気付かないぐらいに弱くて細々として、今思えばこんなのがどうして僕の中で大きくなったのか不思議なぐらいだ。
でも、気が付いた時には夢中になっていて段々と闇の中の異物が大きくなっていくのに目が離せなくなっていた。
それはとても新鮮で、偽善的で、目眩がして、頭が麻痺したぐらい甘美なものだった。
『だった。』
そう、『だった。』んだ。
今は光…君を知る前以上の深い闇しかなくて、僕のこの世界には光なんか一筋も残っていない。
むしろ残っていたら僕は揉み消しているだろう。
それが深い闇によるものでも、それで僕が傷ついたとしても、この世界に光が残るより遥かにマシだ。
君は僕に孤独と言う名の傷を置いて消えてしまった。
僕の闇の平安をぶち壊してね―――
まぁ、君をこの中に入れた僕にも落ち度は有るけど行き場の無い怒りは何処に向ければいいと思う?
そんなの決まっているよね。
光なんかを持ってた君。
そう、君だ。
僕が本気になったんだ。
そう簡単には逃がさないよ。
気付かない内に中から攻めてあげる。
君が僕にしたように―――
じわじわと。
僕が君を侵食していくんだ。
気が付いたら立ち直れないぐらいにズタボロに傷つけて僕を嫌うように、けど決して僕から離れないように飴と鞭をちゃんと使い分けてね。
『目には目を、歯には歯を byハムラビ法典』
って言うけどさ、同じだけ返すなんて僕には邪道でしかないんだよね。
だから僕にはこの言葉が1番あっていると思うんだ。
『やられたら何万倍にしてやり返せ』
って事で、君には光の残酷さを教えてあげるんだ。
今の僕は優しいから普段なら100万倍にして返すところを10倍にしてるなんてとても優しいと思わない?
しかも闇の住人である僕が直々に教えてあげるんだよ?
君の世界の醜い場所と
僕の世界を少し変えてしまった代償を―――
君に闇の平安と素晴らしさを見せ付けて光の孤独さを叩き込むんだ。
決して君がこちら側に来れないように配慮しながら。
君には感謝しているよ。
こんな僕をつくってくれたんだから。
ねぇ、君は何時まで正気でいられるかな?